ジェネリックのイマチニブは10年以上前から販売されているが、日本では先発薬のグリベック®が圧倒的に多く処方されており、その原因を探った論文。
方法:ジェネリック医薬品の販売データは、公開されている情報源から入手した(注:具体的には記載されていない)。また、イマチニブの市場シェアは大原薬品工業株式会社から提供された。
結果:2014年にグリベック®のジェネリック医薬品が当初の50~55%の価格で販売されるようになった。しかし、グリベック®は、患者の経済的負担を軽減する独自の国民皆保険制度や高額療養費制度により、2022年度には72%の市場シェアを占め、引き続き市場のリーダーであり続けた。日本では2024年10月に選択療養制度が導入され、ジェネリック医薬品よりも先発品のグリベック®を選択した患者は、グリベック®と最も高価なジェネリック医薬品であるイマチニブとの費用差の25%を支払う必要がある。
結論:ジェネリックのイマチニブではなく、グリベック®の使用を選択する特定の患者は、医療費の増加を経験することになるが、選択療養制度は、危機に瀕した日本の国民医療制度を守るための効果的な解決策である。個人医療費と純国民総医療費の確保が急務である。
ニュースソース
Keisuke Kidoguchi(Division of Hematology, Respiratory Medicine and Oncology, Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Saga University佐賀大学医学部), et al. : Low Generic Drug Penetration for Expensive Oral Molecular Targeted Agents: An Experience with Generic Imatinib in Japan.
Intern Med. 2025 Aug 7. doi: 10.2169/internalmedicine.5182-24. Online ahead of print.
PMID: 40769896 DOI: 10.2169/internalmedicine.5182-24(オープンアクセス)