中外製薬が創成し、イーライ・リリーが開発中の経口非ペプチドGLP-1受容体作動薬のオルフォルグリプロン(orforglipron)の後期臨床試験成績が発表された。
記事を伝えた2025年8月7日付けのSTATによれば、72週間後、最高用量のオルフォグリプロンを服用した患者の体重は11.2%減少し、これに対しプラセボを投与された患者の体重は2.1%減少したとされ、体重減少が市販されている注射治療薬よりも少ないという結果であった。これを受け、リリーの株価は、8月7日に14%下落したとされる。
記事では、臨床試験で認められた副作用は、消化器系に関連したもので、最高用量を投与された患者のうち、34%と24%が吐き気と嘔吐を経験したのに対し、プラセボ投与群ではそれぞれ10%と4%であった。また、約10%の患者が副作用のために中止したのに対し、プラセボ投与群では3%であったとしている。さらに、研究者らは肝臓に関連した懸念事項を観察しなかったことを問題視している。ファイザー社は、低分子GLP-1候補薬のいくつかを肝臓の副作用のために中止したことがある。
それでも、本剤が経口で冷蔵保存が不要なこと、また低分子で製造コストが低いことなどで、注射剤が販売されておらず肥満率が急速に上昇している地域での需要もあると予想され、オルフォグリプロンが2030年に140億ドルの売上をもたらすと予測しているとされる。
記事では、リリー社は、来月開催される欧州糖尿病学会で本試験の全結果を発表し、年内に承認申請を行う予定であるとする。
ニュースソース
STAT: Eli Lilly’s much-anticipated obesity pill yields modest results.(By Elaine ChenAug. 7, 2025)