2025年8月4日、Pharmaceutical Technology記事。サンド社はフランスのトゥールーズにあるエボテック・バイオロジクス社の製造拠点を買収する拘束力のない契約を結んだとする。この契約は、トゥールーズがサンドのバイオシミラーの生産に完全に特化することとした2024年7月締結の両社の協力関係を拡張するものである。
サンドは、開発・製造受託機関(CDMO)であるジャスト・エボテック・バイオロジクス社のJ.POD施設を買収することで、年間最大2トンのバイオ治療薬を製造できるジャスト・エボテック社のバイオシミラー開発・製造インフラを掌握することになる。
記事では、「現在、バイオシミラーのほとんどはインドと中国で生産されているが、トランプ大統領が最近発表した関税は、これらの国からの医薬品がそれぞれ25%と55%の輸入コストに直面することを意味する。関税率はEU内の国々に対してはわずか15%であるため、これは欧州のプレーヤーが市場でより大きなスライスを取る道を作る可能性がある」ことにも言及している。
日本の業界紙は、8月5日付の記事で紹介しているが、Sandoz本社は7月30日に本契約を公表している。
(坂巻コメント:サンドのバイオシミラープラントは、もともとオーストリアのKundlとSchaftenauにあったが、クンドルは、ソマトロピンなど、大腸菌での製造拠点。シャフテナーが抗体系を製造していたが、こちらはノバルティスとの共同運用。サンドがノバルティスからスピンアウトしたあと、ノバルティスに帰属してしまったため、新しい製造拠点確保が喫緊の課題であった。さらに余談ながら、アモキシシリンの欧州最大の製造拠点。)
ニュースソース
Pharmaceutical Technology: Sandoz bolsters in-house biosimilar manufacturing with Evotec. (Annabel Kartal Allen, August 4, 2025)
https://www.pharmaceutical-technology.com/news/sandoz-evotec-biologics-biosimilar-manufacturing/