米国においても、アルツハイマー病に対するaducanumab、筋萎縮性側索硬化症に対するtofersen、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するdelandistrogene moxeparvovec、鎌状赤血球症に対するvoxelotorなど、いくつかの非がん領域での早期承認に対して論争が引き起こされた。そこで、研究では、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration :FDA)の早期承認経路で承認された非がん領域製品のすべての製品について、早期承認後の通常承認への移行、判断に用いられた試験とその特徴を調査した。
2013年~2024年のFDAによる206件の早期承認のうち、50件(24.3%)はがん以外の26の疾患を適応とする治療薬であった。内訳は、感染症ワクチンが12品目(24.0%)、非悪性血液疾患治療薬が10品目(20.0%)、神経疾患治療薬が11品目(22.0%)、感染症治療薬が5品目(10.0%)であった。 35品目(70.0%)が早期承認以外に少なくとも1つのFDA迅速指定を受け、30品目(60.0%)が希少疾病指定を受けた。
50の早期承認は82の試験に基づいており、22の明確な代替エンドポイントまたは中間エンドポイントを用いていた。 19件(38.0%)が通常承認に変更され、3件(6.0%)が取り下げられ、28件(56.0%)が現在も継続中の早期承認であった。 通常承認に変更された19件のうち、9件(47.4%)は臨床転帰に基づき、10件(52.6%)は代用指標に基づくものであった。 転換と取り下げは21の確認試験によって支持された。結論として、患者や臨床医が早期承認薬の安全性と有効性を確信できるように、早期承認薬の確認試験は、より一貫して臨床的有用性を検討すべきであるとしている。
ニュースソース
Ian T. T. Liu(Program On Regulation, Therapeutics, And Law, Division of Pharmacoepidemiology and Pharmacoeconomics, Department of Medicine, Brigham and Women’s Hospital and Harvard Medical School, Boston, Massachusetts), et al. : Regulatory and Clinical Outcomes of Nononcology Accelerated Approvals.
JAMA, Published Online: July 14, 2025 doi: 10.1001/jama.2025.10726 (オープンアクセス)