オーストラリアで承認されたバイオシミラー：日本のバイオシミラー・ロスが浮き彫りに

Generics and biosimilars Initiative（GaBI）news、2025年5月6日記事。

オーストラリアの薬事承認の法律はTherapeutic Goods Act（TGA、1989年制定）、規制機関は、Australian Government Department of Health and Ageingの一部門であるTherapeutic Goods Administration (TGA)。TGAによって認可された医薬品は、Pharmaceutical Benefits Scheme （PBS）に収載されたのち、公的にカバーされる。2008年8月、オーストラリアは、 similar biological medicinal productsに関するEUのガイドラインを採用し、2010年に最初のバイオシミラーであるepoetin lambdaが承認された。

現在までにTGAは、ヒト成長ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子、インスリン、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン（FSH）、モノクローナル抗体、TNF阻害剤の製品クラスにおいて、65のバイオシミラーを承認している（Table 1：Manufacturer/ Companyの赤字は日本で上市していない企業、Active substanceの青字は、日本で未承認）。

（坂巻コメント：日本では、先行品19品目に対してバイオシミラー36銘柄（一般名ベース）が承認（販売中止品も含む）。医療支出、受療数が日本より少ないオーストラリアで、これだけの数のバイオシミラーが承認されている。また、企業名を見ても、日本での承認を受けていない会社が数多くあり、日本が如何に「バイオシミラー・ロス」となっているかが明らかである。また、日本以外の先進国では、バイオシミラーはそれぞれブランド名を持っている。承認毎に異なる一般名としているのも日本独自といえる。）

ニュースソース
Generics and biosimilars Initiative：Biosimilars approved in Australia.
https://gabionline.net/biosimilars/general/biosimilars-approved-in-australia?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=GONL_V25E06-24&utm_medium=email

Table 1: TGA approved biosimilars*　（出典記事をActive substance順にソート）

*Data updated 6 May 2025.
**Date listed on Australian Register of Therapeutic Goods (ARTG);
#Listed in the Australian Pharmaceutical Benefits Scheme (PBS);
##In Australia, decisions about indication extrapolation for biosimilars are made by the TGA. Rheumatoid arthritis is the only TGA-approved indication for Hadlima, as the sponsor has not sought to have Hadlima TGA-registered for the remaining Humira-approved indications at this time.
NHL: non-Hodgkin’s lymphoma.