BioProcess International誌の2025年4月25日の記事によると、受託開発製造組織(contract development and manufacturing organization:CDMO)大手のサムスン・バイオロジクスは、世界的な需要に対応するため、韓国の松島に第6工場を建設する計画であることを発表したと伝えている。
サムソン・バイオロジクスは、韓国のサムスングループのバイオテクノロジー部門で、松島地域に4つの製造工場を持っているが、第1四半期決算説明会の中で、抗体薬物複合体(antibody-drug conjugates :ADC)専用の第5工場を立ち上げたと発表したとする。2023年3月に発表されたこの工場は、1兆9800億ウォン(約147億ドル)を投資し、18万リットルのバイオリアクター容量を誇り、CDMOの総容量は78万4000リットルに拡大する見込み。
第1工場には6基の5,000リットルタンク(総容量30,000リットル)が設置されており、第2工場には10基の15,000リットルバイオリアクター、2基の1,000リットルステンレス鋼製バイオリアクター、および2基の1,000リットルシングルユースバイオリアクターが設置され、総容量は154,000リットルとなっている。第3工場は12基の15,000リットルバイオリアクターで構成され、総容量は180,000リットル。第4工場は最大規模の施設で、12基の15,000リットルと6基の10,000リットルバイオリアクターを組み合わせ、総容量240,000リットルを提供する。一方、第5工場は12基の15,000リットルバイオリアクターを装備し、総容量は180,000リットルとなっている。2020年には、第4の「スーパープラント」の建設に着手し、さらに240,000リットルの容量を追加した。この工場は2022年10月に操業を開始した。
韓国・仁川に本社を置く同社は、2025年1月に未公開の欧州製薬企業と$14億ドルの契約を締結した。同社によると、この契約は2024年の受注の40%を占める製造サービスを提供する。また、地理的拡大を目指し、同社は今年、日本・東京に事務所を開設し、米国でのCDMO契約獲得を目指している。
(坂巻コメント:日本に事務所開設したが、果たして、日本でCDMOビジネスが成り立つのか?厚労省、経産省がCDMO強化を謳っててきたが、方針の的確性が問われる。)
ニュースソース
BioProcess International:CDMO Samsung expands with sixth plant amid 25% revenue growth(by Shreeyashi Ojha, April 25, 2025).
https://www.bioprocessintl.com/facilities-capacity/cdmo-samsung-expands-with-sixth-plant-amid-25-q1-revenue-growth?utm_medium=email&_hs%E2%80%A6