【論文】米国各州の代替法と互換性のあるインスリンバイオシミラーの使用

米国では、先行品からバイオシミラーへの薬局における代替(automatic substitutions)は、州ごとの法律により規制されている(低分子ジェネリックも同様)。また、バイオシミラーのうち、FDAの昇任区分で、各州の法律に寄らず薬局での代替が認められる互換バイオ互換バイオシミラー(Interchangeable Biosimilar)という区分もある(近年、見直しの方向)。論文は、互換バイオシミラーが上市されたインスリングラルギン市場において、米国における州の代替法とバイオシミラーの採用との関連を検討している。以下は結果の概要の要約。

MarketScanの商業クレームデータを用いて、65歳未満でインスリングラルギン製剤 Lantus (Sanofi) とそのバイオシミラーである互換型 insulin glargine-yfgn (Semglee [Mylan Pharmaceuticals])および非互換型 insulin glargine (Basaglar [Lilly])について、市場シェアと置き換え率の変化を分析した。

合計487 281件の1人当たり処方箋が対象となり、制限の緩い州から158 141件、制限の多い州から329 140件の1人当たり処方箋がそれぞれ対象となった。 互換型製剤Semgleeの発売後、その市場シェアは7.03%ポイント増加したが、これはLantusの市場シェアが6.48pp減少したことと一致した。 前四半期のSemgleeの市場シェアは、法律の規制が緩い州では20.6%、厳しい州では12.1%であった。 非交換型Basaglarのシェアに統計学的に有意な変化はなかった。 互換型製剤のシェアとの関連がより顕著であったのは、3つの制限であった:医師への通知強化、リフィル通知、患者への通知。以上から、代替法の規制が緩やかな州のインスリン使用者は、インスリングラルギンのバイオシミラー使用割合が増加する可能性が高く、バイオシミラー採用の重要な決定因子としての代替に関する州の規制の役割の必要性を強調している。

 

ニュースソース

Youngmin Kwon(Department of Health Policy, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, Tennessee), et al.: State Substitution Laws and Uptake of an Interchangeable Insulin Biosimilar.
JAMA Health Forum. 2025 Apr 4;6(4):e250406. DOI: 10.1001/jamahealthforum.2025.0406.

2025年4月8日
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