JAMA、2024年12月20日公開記事。公衆衛生の優先順位を設定する際の中心的な困難のひとつは、課題の大きさ、切実なニーズの多様性、そしてリスクのある個人を対象としたものから根本的な社会状況を変えるものまで、潜在的な戦略の幅の広さである。一方、公衆衛生の優先順位を合理的に設定するには、データと分析(問題はどの程度大きく、介入によってどのような効果が得られるのか)と価値判断(問題のどの側面を重視し、他の保健・社会目標と比較してどの程度重視するのか)の組み合わせが必要である。論文では、公衆衛生に介入すべき候補を5つのクラスに分け、公衆衛生の優先順位を決めるために、4つの基準が提案されている。
公衆衛生に介入すべき候補
- クラス1疾病負担に応じた条件:死亡率(心臓病、癌、脳卒中など)と障害(腰痛、精神うつ病、薬物使用障害など)
- クラス2ライフスタイルと行動:食事や運動、たばこの使用、飲酒、薬物の使用など
- クラス3疾病予防と健康増進に直接影響する集団行動:予防接種、きれいな空気と安全な飲料水の規制、銃器による暴力の削減、自動車の安全要件など
- クラス4健康へのリスクを生み出し、維持し、悪化させる基礎的状況:科学に対する一般市民の理解や専門知識への信頼、ソーシャルメディアの誤報や偽情報、社会的孤立や孤独、環境災害、貧困、人種差別など
- クラス5疾病を予防し、健康を守り促進するための制度的能力:
優先順位を決めるための基準
- 重要性
- 実現可能性と拡張性
- 価値
- 受容性
ニュースソース
Harvey V. Fineberg(Gordon and Betty Moore Foundation, Palo Alto, California):Setting Public Health Priorities in the United States.
JAMA. Published online January 24, 2025. doi:10.1001/jama.2025.0485
2025年2月3日