ニュージーランド、経済成長促進のための研究システム改革-研究者から賛否両論

Science 誌、2025年1月28日掲載の記事。ニュージーランドの科学インフラは、主要研究機関を再編成し、商業化をより重視する方向が示されている。しかし、この方向性では、科学資金危機を解決できず、研究部門のさらなる雇用喪失に拍車をかけ、迅速な経済的リターンへの不合理な期待を生み出すのではないかと懸念する研究者もいるとされる。

記事では、「Motu Economic and Public Policy Researchのカイル・ハイアムKyle Higham研究員は、「この改革案は、
レモンに投資するのではなく、使いかけのレモンを少し絞ってレモネードを増やそうとしているようなものだ
make more lemonade by squeezing used lemons slightly harder, rather than investing in more lemons」と言う」とする。

(坂巻コメント:いい例え!日本の産業政策にも当てはまる点があったりする。)

改革の主な内容は、国家助成機関である7つの王立研究所の改革であり、ニュージーランドの科学者の約半数を雇用している。今年後半から、これらの研究所は、地球科学、バイオエコノミー、健康科学と法医学に焦点を当てた3つの新しい公的研究機関に再編される。 4つ目の新組織は、人工知能、量子コンピューター、合成生物学などの技術に集中する。 これらの新組織は民間部門からの投資を求め、政府はまた、海外からの直接投資を促進するため、新たな機関「インベスト・ニュージーランド」を設立する。 さらに、知的財産を管理するための新たな国家政策により、研究者に研究に対するより大きな利害関係を与え、彼らが創造したものを所有したり、利益を得ることができるようにするものとされる。

 

ニュースソース

ScienceInsider:New Zealand shakes up its research system in bid to boost economic growth.(28 Jan 2025, By Veronika Meduna) doi: 10.1126/science.zfzy2si
https://www.science.org/content/article/new-zealand-shakes-its-research-system-bid-boost-economic-growth?utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_content=alert&utm_campaign=DailyLatestNews&et_rid=79567821&et_cid=5510262

 

2025年1月30日
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