費用対効果分析における代替エンドポイントの使用に関する新たなガイダンス

カナダ医薬品庁Canada’s Drug Agencyを含む4つの医療技術評価機関は、2025年1月9日、新薬を評価する際の意思決定に情報を提供するため、費用対効果分析における代替エンドポイントsurrogate endpointsの使用に関する新しいガイダンスを発表した1、2)。

カナダ医薬品庁の専門委員会は、新薬の有効性を評価する際、その薬が健康に及ぼす長期的な影響に注目する。 例えば、血圧を下げる新薬を評価する場合、その薬が血圧を下げるかどうかだけでなく、服用した人が心臓発作や脳卒中になるのを防ぐかどうかも考慮する。短期的な効果は「代替エンドポイント」であり、長期的な効果を予測するために用いられる。

代替エンドポイントが償還審査のために提出された新薬の申請で使用される場合、委員会は審議の時点で必要なエビデンスをすべて把握しているとは限らない。 委員会は、新薬がもたらすであろう長期的な健康影響を予測するために、短期的な効果と長期的な転帰の関係を知り、理解する必要がある。これは、多くの新薬にとって、患者や医療システムにとっての価値の大部分は、予測される長期的効果によって決定されるため重要である。

これまで、医療技術評価における代替エンドポイントの使用に関するガイダンスは断片的であった。 この新しいガイダンスは、製薬会社が開発中の医薬品の費用対効果を分析する際に、代理評価項目を用いる際の明確性とサポートを提供するものである。

このプロジェクト活動は、英国国立医療技術評価機構( National Institute for Health and Care Excellence:NICE)が主導・調整した。 ワーキンググループのメンバーは以下の通り:

・カナダ医薬品庁(CDA-AMC)Canada’s Drug Agency (CDA-AMC)
・米国臨床経済評価研究所(Institute for Clinical and Economic Review (ICER) in the US)
・オーストラリア保健・高齢者介護省(Australian Department of Health and Aged Care)
・オランダ国立医療研究所(National Health Care Institute (ZIN) in the Netherlands)
・コロンビア保健技術評価研究所(Institute for Technology Assessment in Health (IETS) in Colombia)
・米国ルビックスヘルス(Rubix Health in the US)

 

ガイドライン概要

カナダの医療に対する私たちの貢献は、私たち職員の専門知識と、私たちの実践の厳密さによってのみ達成される。 私たちの文書化された手法やガイドラインは、カナダ国民にとって重要な役割を果たしている。私たちのすべての製品とサービスの信頼性の基礎となり、医療エビデンスを扱うすべての人にとって、カナダ全土の標準となるものである。

私たちの手法とガイドラインは、私たち自身の専門知識と経験だけでなく、国内外のパートナーシップや他のエビデンスに基づく組織との連携を通じて共有・収集した知識も反映している。

これらの方法とガイドラインを確立し、定期的に更新することで、ベストプラクティスの進歩を捉え、一様に高いレベルの厳密性を確立し、透明性を提供し、エビデンスに基づく情報の比較可能性を可能にし、継続的な改善を支えることができる。

私たちのメソッドとガイドラインの例を以下に挙げる:

私たちのポジションやガイダンス声明には以下のようなものがある。

 

ニュースソース

  1. Canada’s Drug Agency: International collaboration provides new guidance on the use of surrogate endpoints in cost-effectiveness analysis.
    https://www.cda-amc.ca/news/international-collaboration-provides-new-guidance-use-surrogate-endpoints-cost-effectiveness
  2. Canada’s Drug Agency: Methods and Guidelines.
    https://www.cda-amc.ca/methods-and-guidelines
  3. (代替エンドポイントのガイドライン本文)
    https://www.cda-amc.ca/sites/default/files/MG%20Methods/surrogate-endpoints-report.pdf
2025年1月10日
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