BMC Rheumatology2024年9月27日に公開された研究結果。インフリキシマブとエタネルセプトのバイオシミラーを投与された患者における重篤な感染症の発生率は、バイオオリジン製品と同等であることが示された。以下、論文の抄録。
方法:入院データとリンクしたNational Prescription Drug Utilization Information Systemの汎カナダデータ(ケベック州を除く)を用いてレトロスペクティブコホート研究を行った。 インフリキシマブまたはエタネルセプトの新規使用者(2015年1月~2019年12月)を調査し、生物学的性別、治療開始時年齢、副腎皮質ステロイドまたは生物学的製剤の使用歴、州、暦年で調整したCox回帰モデルを用いて、入院を要した感染症と定義した重篤な感染症の発生率を比較した。
結果:エタネルセプト使用者6,583例(平均年齢62歳)、インフリキシマブ使用者7,202例(平均年齢45歳)を調査した。 感染症による入院はインフリキシマブ使用者の7%、エタネルセプト使用者の2%にみられた。 バイオシミラーとバイオオリジンの感染症リスクを比較すると、調整ハザード比(95%信頼区間)はエタネルセプトで1.33(0.77, 2.30)、インフリキシマブで0.93(0.72, 1.18)であった。
結論:本研究では、エタネルセプトおよびインフリキシマブのバイオシミラーと、それらのバイオオリジンとの間に、感染症発生率に関して明確な差は認められず、同様の安全性プロファイルが示唆された。
ニュースソース
Marina G. Birck(Research Institute of the McGill University Health Centre, Montreal, QC, Canada), et al.: Incidence of serious infection among etanercept and infliximab initiators: safety comparison between biosimilars and bio-originators with Canadian population-based data.
BMC Rheumatol 8, 47 (2024). https://doi.org/10.1186/s41927-024-00415-5