Science、2026年1月9日記事。GSKの新薬bepirovirsenが、B型肝炎の「機能的治癒」に初めて現実味を与えた可能性を伝える記事。
世界で約3億人が慢性B型肝炎に感染し、毎年100万人以上が肝硬変や肝がんで亡くなっているが、現在の核酸アナログ治療では1%未満しか治療終了後にウイルスを抑え込めない。HBVはヒトDNAに組み込まれ、さらにcccDNAという“ミニ染色体”を細胞核内に持つため、完全排除(根治)は極めて困難である。
GSKのbepirovirsenはアンチセンス核酸医薬で、HBVのmRNAに結合してウイルスタンパク質の産生を止め、免疫応答も高めるとされる。2022年のPhase Ⅱb試験では、既存治療と併用した患者の約10%が治療終了後24週間以上、HBV DNAと表面抗原が検出不能となった。
今回のPhase Ⅲ試験は29か国・1800人規模で実施され、bepirovirsenを24週または48週投与した群が対照群より統計学的かつ臨床的に意味のある機能的治癒を示したとGSKは発表し、2026年4月までに各国で承認申請を行うとしている。ただし、具体的な数値はまだ公表されていない。
専門家はこれを「機能的治癒が現実的になった明確なシグナル」と評価する一方で、持続性、副作用、どの患者が恩恵を受けるかといったデータの開示を強く求めている。bepirovirsen単剤で効果が限定的なら、HIV治療のように複数の新機序薬との併用療法が鍵になるとの見方もある。GSKは今後、学術誌と学会で詳細を発表するとしており、bepirovirsenはB型肝炎治療の長年の停滞を打ち破る第一歩になる可能性を秘めているとする。
ニュースソース
Science: New hepatitis B drug could help ‘functionally cure’ some patients. (9 Jan 2026, By Jon Cohen)