米国オレンジブック、45年の歴史的発展

米国の食品医薬品法の分野において教育、研修、出版事業を行う会員制非営利組織であるFood and Drug Law Institute (FDLI)2)は、2025年5月20日、「オレンジブック」の歴史をホームページ上で解説している1)。

オレンジブックとは、正式名称「Approved Drug Products With Therapeutic Equivalence Evaluations」で、食品医薬品局Food and Drug Administrationが作成している。安全性と有効性に基づいてFDAによって承認された医薬品を特定するもので、マルチソース(一般的に、複数の製造業者から入手可能な医薬品同等物があることを意味する。すなわち、一般的には、特許切れ医薬品≒ジェネリック医薬品)である承認済み処方薬の治療同等性評価も含まれる。最初のドラフト版は、1979年に出版され、現在(2025年)は第45版である。

ホームページによると「オレンジブックは常に流動的であり、新しい製品情報(承認、特許など)が毎日掲載され、45年の歴史の中で他の多くの実質的な更新が行われている。 掲載製品の数が増え続けていることもあり、一部の変更は遡及的ではなく将来に向かって適用されており、その結果、現在のオレンジブックには、特定の「古い」慣行と「現在の」慣行が混在した情報が掲載されている」とされる。

ホームページでは、医薬品製造承認プロセスの歴史(とりわけ、初期のBlue Book、Green Book、生物学的同等性の扱いなど)に加え、薬局の代替調剤についても解説されており、医薬品情報を学ぶ上で極めて有用な資料となっている。また、1984年9月24日成立のハッチ・ワックス法(Hatch–Waxman Act)との関係についての説明は必読。

 

ニュースソース

  1. Crystal Canterbury*; Katelyn Nguyen**; Andrew Coogan***; Freshly Squeezed: Orange Book History and Key Updates at 45.
    Food and Drug Lan Institute, https://www.fdli.org/2025/05/freshly-squeezed-orange-book-history-and-key-updates-at-45/
    *U.S. Food and Drug Administration (FDA), Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Office of Generic Drugs (OGD), Office of Generic Drug Policy (OGDP), Division of Legal and Regulatory Support (DLRS)
  2. Food and Drug Law Institute:(about) A Membership Organization Engaging the Food and Drug Law Community.
    https://www.fdli.org/about/

 

2025年6月5日
このページの先頭へ戻る