欧州委員会のライエン委員長と「ファイザーゲート」疑惑

EuroActiv 2025年5月13日の記事。以下は要約。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエンvon der Leyen委員長は、いわゆる「ファイザーゲート」疑惑に関して、2025年5月14日にEU一般裁判所による判決を迎える。これは、同委員長が2021年に製薬大手ファイザーのCEOアルバート・ブーラAlbert Bourla氏と交わしたとされる携帯電話のテキストメッセージが、EUの透明性規則に違反して非公開とされたことに対するものである。欧州委員会はこれまでメッセージの存在自体についてあいまいな立場を取ってきたが、2024年11月に欧州委の弁護士が私的な通信があったことを認めている。

この通信は、新型コロナウイルスワクチン9億回分(さらに9億回分の追加オプション付き)を約350億ユーロで購入する契約に関する交渉時に行われたとされる。欧州委員会は、重要な交渉に関する情報を含むものであれば記録・保存されているはずだとして、メッセージが一時的な性質のものでありEUの透明性規則の対象外であると主張している。しかし、裁判所はこれまでのところ、欧州委が公開を拒否したことについて「十分かつ誠実な措置を講じたとは言えない」との見解を示している。

この件は、すでにNGOや欧州議会の複数の会派から批判を受けており、「民主的な説明責任が求められる公的契約において、私的なメッセージによる交渉は許されるべきでない」との声が上がっている。特に緑の党the Greensや社会民主進歩同盟(the S&D)、リニュー・ヨーロッパthe Renew Europeの一部議員らは、メッセージの公開を強く求めてきた。

日本時間5月14日に判決が下り、以下はその記事の概要。

EU一般裁判所は、欧州委員会がライエン委員長と製薬大手ファイザーCEOとの間で交わされたテキストメッセージへのアクセスを拒否したことについて、透明性規則に違反しているとの判決を下した。

判決は、ライエン委員長による強権的なリーダーシップスタイルへの懸念も改めて浮き彫りにした。欧州委員会は本件について控訴する可能性がある。

ニュースソース

  1. EuroActiv:  Pfizergate and von der Leyen’s political long Covid. ( by Thomas Mangin, May 13, 2025).
    https://www.euractiv.com/section/health-consumers/news/pfizergate-and-von-der-leyens-political-long-covid/?utm_source=Euractiv&utm_campaign=0303b0ce7a-EMAIL_CAMPAIGN_2024_03_15_11_14_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_-c120410112-439309867
  2. EuroActiv: Pfizergate: Commission broke transparency rules over von der Leyen texts, court rules.(by Nicoletta Ionta , May 14, 2025)
    https://www.euractiv.com/section/politics/news/pfizergate-commission-broke-transparency-rules-over-von-der-leyen-texts-court-rules/?utm_source=Euractiv&utm_campaign=b846f2470d-EMAIL_CAMPAIGN_2023_12_14_05_49_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_-e977b6ffd5-439309867
2025年5月14日
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