英国国立保健医療研究所(National Institute for Health and Clinical Excellence:NICE)は、2024年11月13日、「NICEがどのように決定を下すかについての簡単なガイド」を公開した。以下はその書き出し。
1999年以来、NICEは医療・介護制度に信頼できる独立した指針を提供してきました。NICEは、エビデンスに基づきベストプラクティスを推奨し、NHSで使用される新薬や新技術を厳格に評価しています。
NHSの憲法では、患者はNICEが推奨する医薬品や治療を受ける権利を有しています。 そしてNHSは、私たちが技術評価(TA)ガイダンスで推奨する治療法に資金を提供する法的義務を負っています。ですから、臨床的にもコスト的にも有効な新薬や治療法のみを推奨することが重要なのです。 これは、NHSがその資源を公正かつ効果的に使用するのに役立ちます。
私たちのTA勧告の5分の4以上(84%)は肯定的です。 私たちが推奨した治療法の最近の例としては、血液疾患に対する世界初の遺伝子編集療法や、脳卒中の影響をできるだけ早く軽減するための新しい血栓溶解薬などがあります。しかし、NHSに使える資金と資源は有限であるため、市販されているすべての新薬や治療法を推奨することはできません。
その結果、私たちの役割として、時には難しい決断を迫られることもあります。患者に十分な付加的利益をもたらさない場合、あるいは納税者の資金を有効に活用できない場合には、NHSでの使用を推奨しないこともあります。 これは最近、エンハーツを強化乳がんに推奨できなかったときに起こりました。
では、NICEはどのように決定を下すのでしょうか。 厳格に、独立に、透明性をもって、公正に決定されることをどのように保証するのでしょうか。
以下、以下について説明されている。
- 最初のステップ:ガイダンスのスコープづくり
- 草案から最終ガイダンスまで
- NICEは臨床的利益があるすべての治療を推奨すべきなのか?-NICEの役割
- NICEはその決定が独立したものであることをどのように確認しているのか?
- NICEはステークホルダーの意見をどのように考慮しているのか?
- 進化する医療・介護システムに我々の方法を適応させる
- 25年にわたり、最良の医療を迅速に人々に提供することに貢献してきたこと
(坂巻コメント:少なくとも、日本のHTA組織よりNICEの活動性の透明性は高い)
ニュースソース
National Institute for Health and Clinical Excellence:How NICE makes its decisions- A guide to how NICE makes independent decisions on the cost and clinical effectiveness of medicines and treatments.
https://indepth.nice.org.uk/how-nice-makes-its-decisions/index.html